伝説の武道家 福田祥円 平國内弟子日記 その4

さあ 始まるか。福田祥円  どんな人だろう。雑誌で見かけ1通の手紙が彼の人生を大きく変えていくとは、この時点では想像すらできなかったでしょう。福田武道の厳しさ、恐ろしさ…。

 

 なんと迎えが来るというのに、もよおしてきたのです。八戸駅のトイレに駆け込んだ彼は叫んだ「何、駅のトイレだというのにボットンかよ。」なんか下から寒さが忍び寄る。出るものは出る。用を足し終えるとまた叫んだ「紙がない」暫く考えた末、結局 自分のパンツを脱ぎ紙の代わりに代用。高校時代、古文の先生がトイレの紙がなくどうしようと思い結局、自分の指で拭いたという。指の臭さに思わず手首を振ったら鉄のパイプに指が当たり思わず痛さで口に指をくわえてしまい、履いたという笑い話を思い出した。

 

駅前に黒のクラウンがやってきた。人相の悪そうな2人の若者が車から降りてきた。

「オイ、お前が名古屋から来た昌平か。」あらまあ挑戦に来たと勘違いしているのか態度の横柄な者たちだと感じた。見学に来たのだからもっと親切にしてもらえるのかと学生気質で軽く思っていた。

 

車は駅前を出たらすぐ田畑の中を通りいなかの風景の中を走り抜けていく。国道4号線に出る。五戸に入り農家の家々の中、山側に入っていく。道は狭くなり辺りは暗くさらに雪。民家も無くなり山の中に入っていく。昌平は思った。やばいところに来てしまったかもと。